○牟岐町カスタマーハラスメント防止条例

令和7年9月12日

条例第21号

(目的)

第1条 この条例は、カスタマーハラスメントの防止に関し、基本理念を定め、牟岐町(以下「町」という。)、行政サービス利用者等及び職員の責務を明らかにするとともに、カスタマーハラスメントの防止に関する施策の基本的な事項を定めることにより、職員の安全及び健康を確保し、もって公務の円滑かつ適正な執行と公正公平な行政の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員並びに同条第3項に規定する特別職の職員のうち町長、副町長、危機管理監及び教育長並びに同条第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員をいう。

(2) カスタマーハラスメント 行政サービス利用者等からのクレーム及び言動のうち、当該言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段及び態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段及び態様により、職員の就業環境が害されるものをいう。また、当該手段及び態様には電子メール並びに嫌がらせ、著しい迷惑行為及び広くこれらに類する行為も含まれる。

(3) 行政サービス 行政が提供する各種サービスを指し、具体的には住民票の発行や税金の徴収、道路の整備、教育、福祉、医療など、様々な分野にわたるサービスをいう。

(4) 行政サービス利用者等 町が提供する行政サービスを利用する個人、法人及び団体をいう。

(基本理念)

第3条 カスタマーハラスメントは、行政サービス利用者等による著しい迷惑行為が職員の人格又は尊厳を侵害する等就業環境を害し、町の運営に影響を及ぼすものであるとの認識の下、その防止が図られなければならない。

2 カスタマーハラスメントの防止に当たっては、行政サービス利用者等と職員とが対等の立場において相互に尊重することを旨としなければならない。

3 カスタマーハラスメントの防止に関する施策は、行政サービス利用者等の権利を不当に妨げるものであってはならない。

(カスタマーハラスメントの禁止等)

第4条 何人も、あらゆる場において、カスタマーハラスメントを行ってはならない。

(町の責務)

第5条 町は、第3条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に則り、カスタマーハラスメントの防止に関する施策を包括的に実施するものとする。

2 町は、カスタマーハラスメントの防止に関する施策を実施するに当たり、必要に応じて関係機関に協力又は支援を求め、若しくは関係機関との連携を図るよう努めるものとする。

(行政サービス利用者等の責務)

第6条 行政サービス利用者等は、基本理念に則り、カスタマーハラスメントに関する問題について関心と理解を深めるとともに、社会的規範に照らし職員に対する言動に必要な注意を払うよう努めなければならない。

2 行政サービス利用者等は、町が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(職員の責務)

第7条 職員は、基本理念に則り、行政サービス利用者等の権利を尊重し、カスタマーハラスメントに関する問題について関心と理解を深めるとともに、カスタマーハラスメントの防止に資する行動をとるよう努めなければならない。

2 職員は、町が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(支援体制の整備等)

第8条 町は、カスタマーハラスメントに関する職員からの相談又は支援の要請に応ずるための体制を整備するとともに、カスタマーハラスメントによる被害の防止、回復等に資する援助をするよう努めるものとする。この場合において、町長は、職員が相談又は支援の要請をしたことによって、当該職員に不利益が生ずることがないよう必要な措置を講ずるものとする。

2 町は、職員に対し、町が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策について周知を図るとともに、カスタマーハラスメントに関する啓発活動等の実施を通じてカスタマーハラスメントによる被害の防止に取り組むものとする。

(カスタマーハラスメント対策委員会)

第9条 町長は、カスタマーハラスメント対策に関し調査審議を行う必要があると認めた場合、牟岐町カスタマーハラスメント対策委員会(以下「委員会」という。)を設置することができる。

2 委員会は、次条第2項の規定による諮問に応じて調査を行い、当該請求を受けた事案がカスタマーハラスメントに該当するかどうかを審議する。

3 委員会は、次条第3項及び第11条第2項に定めるもののほか、カスタマーハラスメント対策に関すること及び当該審議した事案並びに措置について、町長に意見を述べることができる。

4 委員会の組織その他運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(カスタマーハラスメント事案の確認又は認定)

第10条 職員は、その行政サービス利用者等の言動又は行為がカスタマーハラスメントに該当すると考えられる事案が発生したときは、規則で定めるところにより、町長に対し、確認(当該行為者を特定することなく、当該言動又は行為がカスタマーハラスメントに該当すると判断をすることをいう。以下同じ。)又は認定(当該行為者を特定し、当該言動又は行為がカスタマーハラスメントに該当すると判断をすることをいう。以下同じ。)を求めることができる。

2 町長は、前項の規定により職員から確認又は認定を求められたときは、委員会に諮問しなければならない。

3 委員会は、前項の規定により町長から諮問を受けたときは、調査審議の上、その結果を町長に答申をしなければならない。

4 委員会は、前項の規定による調査審議(認定に係るものに限る。)の際、やむを得ないときを除き、当該認定の求めに係る行為者の意見を聴取するものとする。

5 町長は、第3項の規定により諮問に対する答申を受けたときは、カスタマーハラスメント事案の確認又は認定を行うかどうかの決定をし、規則で定めるところにより、当該職員に対し、その旨を通知するものとする。

(カスタマーハラスメント事案に対する措置等)

第11条 町長は、カスタマーハラスメント事案の確認又は認定を行ったときは、次に掲げる措置(第2号に掲げる措置にあっては、認定を行ったときに限る。)を講ずるものとする。

(1) 当該カスタマーハラスメント事案について、規則で定める情報を公表すること。ただし、牟岐町情報公開条例(平成14年条例第3号)第6条に規定する不開示情報を除く。

(2) 当該カスタマーハラスメント事案における行為者に対し、規則で定めるところにより、警告すること。

2 町長は、前項第2号の規定により警告したにもかかわらず、その状況の改善が不十分であると認めるときは、氏名その他の当該行為者を特定することができる情報であって規則で定めるものを公表することができる。この場合において、町長は、規則で定めるところにより、当該行為者に対し意見を述べる機会を与えるとともに、委員会の意見を聴くものとする。

3 町長は、前項前段の規定により警告及び氏名を公表する措置を行ったにもかかわらず、当該行為者がその言動又は行為を止めようとしない場合は、委員会の意見を聴いた上で、法に基づく適切な解決策を講じるものとする。

(その他)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

この条例は、令和7年10月1日から施行する。

牟岐町カスタマーハラスメント防止条例

令和7年9月12日 条例第21号

(令和7年10月1日施行)