公開日 2024年04月01日
雨情が訪れた 牟岐町とは
四国の右下に開ける牟岐町は、徳島県から約70kmの地点にあり、海の幸、山の幸に恵まれた人情まろやかな港町です。
室戸阿南海岸国定公園の白眉である景勝八坂ハ浜には、サーフィンのできる内妻海岸があり、町から約3.7km沖合には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された出羽島があります。
島には亜熱帯気候で、国指定天然記念物のシラタマの自生地としても知られ、隣接する阿波大島海中公園には、高さ9m、周囲31mにもなる円錐形の、世界最大級のこぶ浜産後(千年サンゴ)が生息しています。
新民謡「牟岐みなと節」歌碑めぐりマップ
おすすめモデルコース
牟岐の街並みも楽しむショートコース
総移動距離約3.6km
所要時間約56分
- 徒歩
スタート①海の総合文化センター
- 徒歩
約15分②JR牟岐駅前(約1.0km)
- 徒歩
約12分③満徳寺(約0.7km)
- 徒歩
約5分④⑤牟岐漁港出羽島連絡船乗り場(約0.3km)
- 徒歩
約8分⑥宮の本のコミュニティセンター(約0.5km)
- 徒歩
約16分海の総合文化センター(約1.1km)
雨情の旅を満喫する全行程ロングコース
総移動距離約16.6km(出羽島への移動距離は除く)
所要時間約6時間22分(出羽島行き2時間を含む)
- 徒歩
スタート①海の総合文化センター
- 徒歩
約15分②JR牟岐駅前(約1.0km)
- 徒歩
約60分⑩牟岐町 町堺 古江(約4.0km)
- 徒歩
約50分③満徳寺(約3.6km)
- 徒歩
約5分④⑤牟岐漁港出羽島連絡船乗り場(約0.3km)
- 連絡船
15分⑨出羽島内 出羽神社向かい側(約3.7km) 連絡船時刻表
- 徒歩
約8分⑥宮の本コミュニティセンター(約0.5km)
- 徒歩
約35分⑦小張崎 牟岐無線局 手前(約1.8km)
- 徒歩
約40分⑧古牟岐公園内(約2.3km)
- 徒歩
約40分海の総合文化センター(約3.1km)
野口雨情の紹介
写真提供:茨城県北茨城市教育委員会様
野口雨情は、童謡民謡詩人。多くの名作を残し「北原白秋」「西條八十」とともに、三大童謡詩人と謳われています。
代表作には、「十五夜お月さん」「七つの子」「赤い靴」「青い眼の人形」「シャボン玉」「船頭小唄」など多数あります。
日本民謡協会を再興し、理事長に就任。全国をはじめ台湾、朝鮮、満州、樺太をめぐり「新民謡」を創作し、その普及に努めました。
もっと詳しい情報については「北茨城市歴史民俗資料館・野口雨情記念館」をご覧ください。
野口雨情の足跡
※「牟岐みなと節由来記」より。
昭和11年2月12日。
野口雨情が、徳島市に来られたのを聞いた当時の牟岐町長・富田加久三氏は、徳島毎日新聞記者を通じて牟岐町に招くことを申し入れました。
同年5月に行われる「牟岐漁港修築工事」の竣工式を機会に、念願であった「牟岐民謡」の創作を依頼するためです。幸い雨情との面識もあり、快い返事を得ることができました。
雨情が「牟岐町」を訪れたのは、2月17日の午後三時です。あいにくの雨でしたが、花屋旅館に落ち付くこともなく、富田町長に案内を頼み、西浦の浜から東浦の浜へと、雨の漁村の情景を心ゆくまで眺めて歩きました。
翌18日は、申し分のない快晴でした。富田町長たちは雨情をさそい、午前10時より小舟で「出羽島」へ向かいました。
「小張崎」を離れる頃から二匹の白い蝶々がやってきて、出羽島まで付いてきてしまいました。
同行者たちは別段気にすることもありませんでしたが、雨情はこの出来事を一節にしています。
出羽島港に着いた雨情たちは、同行者の案内で「大池」へ向かいしました。一行が山頂近くの畑にさしかかった時、雨情がアッと驚きの声をあげました。見ると、その畑は一面「エンドウ」の花盛りです。雨情はこの光景に感動し、また一節が生まれることになりました。
島をくまなく廻り南国気分を満喫した一行は、組合で食事をすませ、出羽島をあとにしました。
同行者たちは、帰路船中でも見える限りの名勝地を説明し、雨情の問いかけにも答えました。港に戻った雨情たちが、「八坂八浜」の絶景をドライブして宿に帰ったのは午後4時のことです。雨情は、その夜静かに創作活動に入りました。
翌19日の早朝。雨情は、出来上がった歌を15枚の半切りに記しました。歌を託された富田町長は、叙情豊かな15節の歌に、いたく感銘したと記しています。
名残を惜しみつつ、雨情は牟岐をさったのは、午前11時半のことでした。
新民謡「牟岐みなと節」全15節
作詞/野口雨情 作曲/藤井清水 振付/島田 優
第1節:阿波の牟岐町 南に向いて 春を待たずに 豆が咲く
第2節:舟は港に 鴎は沖に 牟岐の渚は 夕焼ける
第3節:八坂橋越し 大阪あたり 春は桜の 花吹雪
第4節:牟岐の港を 出船の時にや 後ふり向き ふり返り
第5節:向う出羽島 なつかし処 船に蝶々も ついて行く
第6節:誰と別れか 観音山の 夜明け鳥が 鳴いて行く
第7節:五剣銅切 矢筈が目あて 船は港を 差して来る
第8節:舟で廻れば 出羽島一里 島にや大池 蛇の枕
第9節:波の音聞き 小張の松は 思いやいく年 経たのやら
第10節:牟岐の大川 橋流されぬ 流しや便りが 遠くなる
第11節:磯の遊びぢや 小島の浜や 波もしづかな 砂美の浜
第12節:沖の大島 姫神様は 通う船路の 守り神
第13節:八坂八浜の 難所でさへも 親の後世なら いとやせぬ
第14節:見たか出羽島 どのせの浜に うつは荒波 花と散る
第15節:雲の中から 雨ふり月が 浜の小舟の 中のぞく