公開日 2012年03月31日
国指定天然記念物 出羽島大池のシラタマモ
シラタマモとは、シラタマモは学名Lamprothamnium succinctum R.D.W.といい、地詩によれば、中生代の白亜紀〔1億4千万年前〕に繁殖したシャジクモ科〔Characeae〕に属する海藻で、日本では、八郎潟で採集されたのが最初で〔1959年〕あり、和名のシラタマモは、この植物の仮根部に白色の小球体をつけることから命名されたものです。
現在日本では牟岐町出羽島の大池で見ることができます。昭和47年3月16日「出羽島大池のシラタマモ自生地」として国の天然記念物に指定されています。
シラタマモの形態
シラタマモは、体長20~50cm〔最盛期5~8月〕に達し、主軸は太さ0.5~0.8mm長さ1~5cmにおよぶ単細胞からなる節間細胞と放射状の小枝を出す多細胞性の節が交互に一列に配列したものによって構成されています。
4月から7月の間に美しいオレンジ色の雄器と雌器を小枝の節部または基部につけます。有性生殖のほか、仮根部につく小球体から芽を出す栄養生殖がさかんです。
この植物は、暖冬には越冬しますが、ふつう冬期には地上部は枯れて、土中の小球体のみが残って越冬します。
生きた化石
シラタマモの学術的価値
シラタマモの原産地としては、北アフリカのリビア、インド洋上のモーリシャス、太平洋上のニューカレドニアと、日本では出羽島で見ることができます。
シラタマモの学術的価値としては、生物の進化を考えた場合、生物は海水中に起源をもち、海の中での進化から淡水へ、さらに陸上へと進化とともに移行したものと認められています。
シラタマモは、海産生物から淡水生物ないし、陸上生物へと移行途中の形質を示すもので、シラタマモが東半球、西半球および北半球、南半球のように広い地域にわずかしかなく、明らかに不連続分布で、かつて栄えたものがしだいに種として老化したもの、すなわち種として絶滅に近い状態「生きた化石」であると考えられています。
シラタマモの自生する大池
出羽島は、牟岐町から海上約4km離れた周囲約4kmの島で、大池は島の西南部に位置する、東西約30m南北約70mの池で、東側を山に、西側は海岸となり、山側からは淡水が、海側からは、海水が流入し、海水と淡水の割合が2対1となっており、シラタマモの自生するのに最適の条件をそなえています。又、この池には、昔大きな蛇が住んでいたとの伝説が残っています。